重箱の隅大作戦

第３話ラスト ･･･



風見 志郎（演／宮内 洋）は３０００度の炎の中、自らの体に隠されて
いる筈の秘密を駆使してこのピンチを切り抜けようと必死になります。
それに被さるナレーターの「果たして秘密はあるのか？！」

それに続く次回予告は ･･･

「次回

仮面ライダーＶ３
第４話　「Ｖ３の２６の秘密！？」

お楽しみに」

もし私がリアルでこの予告編を観ていたら、恐らくその秘密の多さに
唖然としたと思います。実際、「２６の秘密」の設定はその全てが明
らかになる前にフェイドアウト（テコ入れ？）しています。「２６の
秘密」はこのエピソードから言及されますが、「仮面ライダーＶ３大
全」所収の「図解入りメモ（案）」によれば既に登場している「ダブ
ルタイフーン」や「Ｖ３ホッパー」も含まれていた様です。その「ダ
ブルタイフーン」がこの危機を打開することになるので、風見は隠さ
れた秘密に思いを巡らす必要はなかったことになりますが ･･･

　

燃えカスを見て「デストロンの勝利だ」と高笑いのイカファイア。
そこに響く笑い声 ･･･

　「あそこだ！！！」

　  

「大全」所収の「インタビュー」によれば煙突の高さは５２ｍ、Ｖ３
のスーツアクターだった 中屋敷 鉄也 氏と共に 中村 文弥 氏が面を持っ
て登ったそうです。これが伝説の「煙突に立つＶ３」です。現在では
無理かもしれない撮影です。

第４話は始まったばかりなので、このシーンの興奮が醒めながら物語
が展開してゆくので実に惜しいです。第３話ラストの「処刑」を第４
話ラストに持ってきてこの煙突から ･･･

　

ライダー遠心キック

へつなげて第４話を締めくくって欲しかったです。因みに「２６のひ
みつのひとつ」と紹介された「最初のひみつ」がこれでした。

実際の第４話ラストは ･･･

　「ジワジワと殺してやる」（笑）

２怪人による「Ｖ３いじめ」の様な大ピンチの一瞬の隙をついてライダー
遠心キックを放っています。


この第４話から ･･･



レギュラー陣のひとり 珠シゲル（演／川口 英樹）が登場。これはシゲ
ルと風見が初めて対面したシーンです。私はシゲルが最初から少年仮
面ライダー隊員だと思ってましたので ･･･



ゲストの 石井 聖孝 氏（左端。クレジットは「政幸」）演じる「敏夫」
より入隊が後だったのは意外でした。これは、記憶喪失状態にされた
立花 藤兵衛（演／小林 昭二）を、兄（演／佐々木 一哲・右端）とドラ
イブ中だった敏夫が保護したシーンです。

前記事で採り上げた 映画「女番長」の封切りは昭和４８年１月１３日
でしたが、宮内 洋 氏はそのおよそ一月後の２月１７日放送開始の「
仮面ライダーＶ３」に主演。「Ｖ３」はシリーズの頂点と言っても良
い作品ですが私はリアルでは観ていません。ブログを始めて以降も殆
ど観てませんが、今回は伝説のシーンである「煙突に立つＶ３」を初
めて鑑賞することにしました。件のシーンがあるのは第４話ですが、
そこに至る過程を描いた

仮面ライダーＶ３
第３話　「死刑台のＶ３」

からイってみましょう。


このエピソードでは少年ライダー隊本部がある

　セントラルスポーツ店

が初登場します。



通信係に採用された 珠 純子（演／小野ひずる）がいる本部は店内奥に
あり



そこへ通じるドアを開けるためのセキュリティを解除する鍵がボウリン
グのボウルというところが当時を偲ばせます。



本部モニターにお客様第１号らしい男性（演／永井 邦道）が映し出され
「営業モード」に突入した 立花 藤兵衛（演／小林 昭二）が応対すると

　

残念ながら、開店の花輪を届けに来た業者でした。しかしその依頼主が
「デストロン」･･･ 風見 志郎（演／宮内 洋）は業者の胸ぐらをつかみ
「依頼主はどんな男だった」と詰め寄ります。どうして「男」と言い切
ることができるのか知りませんが、業者は渋々注文書を見せました。そ
こには依頼主の住所があったので風見はそこへ行ってみました。



デストロンは依頼主の住所で 風見＝Ｖ３を待っていました。

こいつはＡパート冒頭 ･･･



夜中に手術と渋々やって来た第一綜合病院院長の 関 三郎（演／山田 禅
二）を洗脳、その姿を利用している

　テレビバエ

です。かなり有能なやつで、お手合わせ中のＶ３のデータをデストロン
本部のコンピューターへ送信までしていますが ･･･

　

Ｂパート冒頭、首領御自慢のコンピューターはＶ３のデータ解析を「ザ
ンネンデスガヤレマセン」とはじき出した後爆発（満点大笑い）。更に
はテレビバエに火の粉が引火（涙）。

この解析で得たデーターを基に、第一綜合病院改めデストロン附属病院
においてＶ３を倒せる怪人を造るというのが首領の筋書きでしたがここ
で見事に失敗 ･･･ したかにみえましたが ･･･



立花を救出するため病院へ駆けつけた風見の前にイカファイアが出現。
Ｖ３に変身した風見以上にＶ３の弱点を何故か知ってる（冒頭のはギャ
グだったのか）こいつによって ･･･



「伝説」へのカウントダウンが開始されました ･･･


第３話のゲストは山田氏、永井氏の他に



関院長より先に洗脳されていた看護婦を演じた 渡辺 美智子 氏。この３
名はクレジットありです。



渡辺氏は、「魔人ハンター　ミツルギ」第２話（昭４８・１）にゲスト
出演した 渡辺 美知子 氏と同一人物と思われます。

　 

現在ではあり得ない、病院待合室で喫煙しながら順番を待っていた左の
「内田さん」を演じたのは 久本 昇 氏、右の女性は 小甲 登枝恵 氏だと
思われますが共にノンクレジットです。



Ａパートで洗脳された「内田さん」はＢパートにも登場。病院に潜入し
た立花に「火を貸してくれ」と近づきます。



そんな病院でその時洗脳されていた男性を演じたのは 中村 文弥 氏でしょ
うか。

お盆休み中、暑気払いのつもりで

「女番長」（昭４８）

を観ました。これをチョイスしたのは、後に「コンドールマン」（昭
５０）で ･･･

　

ルイザ（左・レッドバットン人間態）と レオナ（右・ゲムスラー人
間態）の高倉姉妹を一人二役することになる 一の瀬 玲奈 氏の出演作
だから（と言っても、シリーズの殆どに出演してますが）です。因み
に、ずばりなタイトルですが第４作目です。



本作で 一の瀬氏（右・レナ名義）が演じた カズミ は、左の 燎子（演／
衣麻 遼子）の手下で残念ながらチョイ役でした。このシリーズで「衣
麻氏の手下」と言うことは「悪側」です。


この映画の主人公は ･･･

　関東小政（演／杉本 美樹）

です。この一風変わった役名を検索したところ、「肉体の門」とい
う作品が元ネタと思われます。同じく ･･･



池 玲子 氏演じるこの女性の名・摩耶 も同作が元ネタと思われます。
このキャットファイト直前、摩耶は小政に「自分が居ない間に縄張
りを横取りするな」みたいな台詞を発します。これは当時の池氏と
杉本氏の立場そのものといえる興味深い台詞です。池氏と杉本氏に
よるキャットファイトはシリーズの見せ場のひとつですが、当時は
「ガチ」ではないかと囁かれていた様です。

このキャットファイトを収めるのが ･･･



宮内 洋 氏演じる 達夫 です。高校球児だった彼はヤクザに拾われま
したが都合の良い様に使い捨てにされます。そんな彼が甲子園で非
業の死を遂げるシーンは男泣きの名場面です。達夫は「鉄砲玉」を
押し付けられましたが、当時の宮内氏、押し付けられた訳ではない
と思いますが「特撮番組への配置転換」直前でした。達夫の立場や
台詞を「配置転換」と置き換えて一連のシーンを観るとこちらも興
味深いです。